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2014/01/31

腑抜の金曜日


電車がやってきて髪の毛が顔に張り付いたのはいつものことだけれど追い打ちな気分
 
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2014/01/30

空のクジラ


見上げたら空に大きなクジラが
白無垢姿のお嫁様を乗せていた
ぽかんとしていると
お嫁様がこっちを見てニッコリして
角隠しを外してぽおんと放った
クジラはお嫁様を乗せたまま
悠々と空の向こうに泳いで行った
手漕ぎボートのネズミ男が
急いで急いで追って行った

バイバイ クジラ
小さく呟いてみた
空は今日もワンダーだ

明日も私は会社へ行く
同じ席で同じ仕事をして
同じ道をまた歩くだろう

バイバイ クジラ
見送ってから
私はたたんとステップを踏んだ
雪の空の花の下で

それから角隠しがぱふんと落ちてきた
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2014/01/28


やけに静かな夜 電気を消した
閉め切ったカーテンが
外からの微かな光でぼんやりと縁どられている
闇の中では私の輪郭もぼんやりとして
光の中にいる時よりも世界に混じり合っている気がした

なのに目を閉じると私の境界がむしろはっきりとして
途端に世界が遠のくのはどういうわけだろう
夜は何処に属するのだろうか

風か車か 遠くで音がごぉと鳴った
世界から孤立して私は眠りにつく
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2014/01/27

たんとんとたたとん


沢山のたんとんとたたとんが
たんとんとたたとんと踏み鳴らしながら
たんとんとたたとんと行進している

たんとんとたたとんが花を揺らし
たんとんとたたとんに虫が驚いて
たんとんとたたとんに怒っている

たんとんとたたとんと大地に響いて
たんとんとたたとんが風を呼んで
たんとんとたたとんで水滴が昇った

たんとんとたたとんと雨雲がやってきて
たんとんとたたとんとどしゃ降りになったら

たとてとたたんとんとあっという間に逃げてった
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タイトルリレー詩(mixi) | Comments(0) | Trackback(0)
2014/01/26

だめな日


真っ青な大きなタオルをばさりと広げて手すりに掛けた
靴下が片方見あたらない
落ちている様子もない
片方だけ洗濯バサミに挟んでぶら下げた

バーガーショップで誰かが苦情を言っている
店長が出てきて頭を下げた
隣で私はコーヒーを注文する

窓の外に灰色の雲が流れていく
曖昧な形の青の分量が
それじゃあとても足りない
晴れてさえいればなんでもないことが
好きな音楽を幾ら聴いても聴いても

靴下はどこへ行った
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2014/01/24

しあわせについて


不幸せについて考えるのは簡単だ
穴を開けておけば勝手に漏れ出ていくから
後には空っぽの器が残る
何もないのは不幸せだ

幸せについて考えるのは難しい
穴を詰めて中身を補充し
なみなみにしておかなければならない
いっぱいでなければ幸せではない

何を満たすのか
何で満たすのか
それが問題だ
考えているうちは幸せではない

さて
ここにあるのはいびつな形をしたひとつの生命だ
生命は器ではなく最初から中身だ
器はないので穴も開かない
器も穴もないので中身が減ったの増えたのと心配する必要もない

生命は最初から満ちている
形を少々変えるのに遠くまでかかるだけなのだ
気に入った形になるまでは不幸せな気分になるのもまあ仕方ない

だがそれは満ちている
満ちているのだ

虚ろに感じるならば場所を変えて
なりたい形も少しばかし変えてみるのがいい
心配ない
君は減らない
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2014/01/22

森の案山子


森の奥深くに案山子が立っていた

身体の力が抜けて、私は案山子の前に座り込んだ
痛む足を揉みながら、どうしてこんな処に居るのかと問うてみた
「こんな処だから道標が必要なのさ」と返ってきた
ではここはどこなのかと問うた
「君は案山子の居る所にいる」
それはそうだが、町はどっちかね?
「それは君が考える」
はて、この案山子は道標ではなかったのか
「そうさ。ここは案山子の居る所さ」
私は黙った
案山子も黙った

そうしてしばらく休んで再び森の中を彷徨ってから
ようやく私は友人宅に辿り着いたのだった

「案山子に会ったか」
会った
「ほっとしたろう」

なるほど
 
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2014/01/22

追憶 その後


「空に返す」を何度やってもだめなんだ
ヘタすると次の日ぐらいに物凄い勢いで落っこちてくる
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2014/01/20


何かが落ちていくのが見えたと車掌が言った

悪戯がうまくいった子どものように口元が笑っていたと父が言った

学校を休んでいるのに出かけるなと言うので
じゃあ学校に行くと私は言った
初七日も済んでいなかった

すぐびっくりしたとか驚いたとか言うのねと母は言って泣いた
だっていきなりそこに立ってるからと私は言ってお茶を淹れた
だって怖いからとは言わなかった

くそばばぁと二階から母は叫んだ
私は階下の祖母に言い訳に行った

おいしいものを食べに行こうかと言ってフルーツパフェを食べに行った
これでヘソクリはお終いと母は笑った

洋裁の得意な母だった
水色のレースのワンピースを覚えている
大きな人形を拵えて背負わせてくれたのを覚えている

これはお母さんが読んで一番感動した本よと母は言った
私はその本に何の思い入れもなかった
だからその本はもうない
どこへやったかわからない

私はもう母の年齢を越えてしまった
後悔を抱えているのではない
時折浮かび上がってくる匣をもう一度沈め直すだけなのだから

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2014/01/18

くしゃみ


うどんには斜めに刻んださやえんどう
少し煮込んで卵を落とす
風邪気味の一人静かな夜
七味を振ったらくしゃみが出た

チョコレートをぱきりと割ってから
銀紙を剥いた
窓の外から一瞬笑い声
通り過ぎてからぼりぼりと食べた
またくしゃみが出た
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