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2014/08/17

黒い夜


明かりを灯し闇を作る
闇に闇が集まるように

黒い鳥が嘴を開けたまま墜ちている
その向こうで黒い虫たちの羽が散る中を人が這っている
黒い血を吐き出しながら皮膚のずる剥けた真っ赤な背中が蠢く黒い地面に埋もれていく
耳の中を鼻の中を空気を求めて開いた口の中の舌の上を喉の奥を大小の黒い虫が這っていく
くぐもった声が低く上がり途切れた
開けた右目が食い尽くされやがて黒い塊は動かなくなった

怖い物見たさで薄目を開けた
すぐに閉じて見ない振りをした
見なければ見えない黒い夜
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自由詩 | Comments(6) | Trackback(0)
2014/08/11

言の葉の現れないこと


私の中には言葉が無い

言葉が無いのは毎日同じ事を考えているからだ
言葉が無いのは毎日同じ場所に留まっているからだ
言葉が無いのは同じ毎日を繰り返しているからだ
言葉が無いのは同じ問いを繰り返しているからだ
同じ問いを繰り返してしまうのは

違う答えがあるかも知れないと期待してしまうから
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自由詩 | Comments(4) | Trackback(0)
2014/08/10

空から降る毒


その昔、牛乳を注ぎ入れたホーローカップを石油ストーブの上に載せ置いた
牛乳は温まり吹きこぼれてストーブの天板があっという間に焦げ付いた

蛋白質の焦げた匂いというのは実に耐え難い、なんとも形容し難い嫌な匂いである

空が殺意を抱けば逃げることは難しい
憎しみが空から降ってくるのだ
髪に顔にシャツにスカートにズボンにようやく手に入れた新しい靴に
それは降り注ぎ降り注ぎ
染み込んで皮膚を通り抜け心臓を止める酷い毒なのだ
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自由詩 | Comments(8) | Trackback(0)
2014/08/10

ある夏の日


らならならなら うららの午後に
はらはらふらら 花びらちるよ

ごおおとわたる 風わたる
マントかけぬけ 河になる
ぐるぐるまわって アブラゼミ落ちた
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自由詩 | Comments(3) | Trackback(0)
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