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2014/02/22

風の向こう


風に向かって立つ人がいる
空気の流れは強く冷たく
何もかもが飛ばされていってしまうけれど
前を見据えて歩き始める
風の向こうにあるものを
どうしても取りに行かなくてはならないから

羽織ったパーカーが舞い上がる
土煙りに巻かれ風圧で体が押し戻されても
手を引いてもらうことも後ろから押してもらうこともできない
ひとりで行かなくてはならない
顔を伏せ腕でかばって歩く
誰かが遠くで拳を握り締めている

広い野原にいたのは遠い記憶
背の高い草をかき分けて歩くと
喉の奥に何かが張り付いて難儀した
あの頃世界は柔らかだった
肩に止まっていたてんとう虫が小さな羽を開いて飛んで行った
あの頃は世界に守られていた

行く先にあるのは小さな誇り
それはちっぽけで 二つとない輝ける小さな光
自分自身で育み守る

暖かな季節が訪れたなら君に送ろう
優しい風を送ろう
君の足元に咲く一輪の花のもとに

風の向こうにたどり着け
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